ベトナムの古茶樹と聞くと、バイヤーの多くは最北部のハザンやイエンバイを思い浮かべます。しかし、ベトナム緑茶地帯の中心であるタイグエン省ダイトゥにも、樹齢200年を超える古茶樹群が二つあることはあまり知られていません。一つはヌイボン山、もう一つはラバン村にあるタムダオ山脈の山頂付近です。
この記事では、研究者や地元メディアがこれらの木について記録した内容をまとめました。そして、すべてのバイヤーに知っておいてほしいことをはっきりお伝えします。これらの古茶樹は保護の対象であり、TRAVINAはこれらの木から摘採せず、その葉で作ったお茶も販売していません。

「古茶樹」とは
チャノキ(Camellia sinensis)は本来、高木になる植物です。タイグエンの丘に並ぶ腰の高さほどの茶株が低いのは、若芽に手が届くよう農家が毎年剪定しているからにすぎません。何十年も手を入れずにおけば、木質の幹が育ち、高さ10メートル以上にもなります。
古茶樹とは、そのようにして非常に長い年月を生きてきた木のことです。種から育ち、一度も剪定されず、森の木として生きてきました。ダイトゥでは、こうした木が茶園よりさらに上の高い山、霧が深く、道が険しく、人がほとんど入らない場所で生き残ってきました。
| 山の古茶樹 | 丘の茶園の茶 | |
|---|---|---|
| 樹形 | 高木、10–30 m | 低木、0.6–1 m |
| 剪定 | しない | 毎年 |
| 収量 | ごくわずか | 安定、摘採ごと |
| 現在の役割 | 遺伝資源の保全 | 日常の茶の生産 |
ヌイボン山の古茶樹
ヌイボン山は地元ではヌイホン山とも呼ばれ、標高は約851メートルです。かつてはミンティエン村に属していましたが、ベトナムの行政区画再編により2025年7月1日からドゥックルオン村の一部になりました。古い資料には今も「ミンティエン」とあるため、調べる際は両方の名称を使うと便利です。
2024年3月3日、研究者、森林管理官、協同組合、企業など約100人の調査隊がこの山に登りました。タイグエン省科学技術協会連合によると、記録された内容は次の通りです。
| 標高 | 幹周り | 樹高 |
|---|---|---|
| 約600 m | 約80 cm | 20–25 m |
| 約690 m | 90–100 cm | 25–30 m |
| 約740 m(「莫朝の井戸」) | 150 cm以上 | 30 m以上 |
| 851 m(山頂) | なし | — |
報告によると木は20〜30本ほどで、まとまった林ではなく点在しています。タイグエン農林大学のハー・ズイ・チュオン准教授は、樹齢を暫定的に200年以上と見積もりました。地元の伝説では17世紀ごろの莫朝に遡るとされますが、それは言い伝えであり、科学的な数字は現在検証中です。
チュオン准教授によれば、葉はタイグエンの中部丘陵茶より大きく厚いとのことです。葉・花・実のサンプルが採取され、ハザン、イエンバイ、バクカン、そしてタイグエン自身の茶とDNA比較が行われています。どの品種に属するかは、この分析を待たなければわかりません。
ラバン村・タムダオ山頂付近の古茶樹
2025年3月下旬、ハー・ズイ・チュオン准教授と、ダイトゥ茶協会会長で茶の職人グエン・ティ・ハイさんらの一行は、朝7時30分に出発し、ケム川沿いに約8時間登りました。午後4時ごろ、ラバン村のタムダオ山頂付近、標高1,300メートルを超える地点で最初の古茶樹にたどり着きました。
一行は大木18本と、それより小さな木数百本を記録しました。最初の木は高さ12〜13メートル、幹周り88センチでした。一行の目安では、幹周り80〜100センチで樹齢150年以上、100〜150センチで200年以上とされます。
暫定的な見立てではシャン種の茶で、青シャンまたは白シャンの可能性があり、確定にはゲノム解析が必要です。芽は槍の穂先のような形で硬い鞘に包まれ、葉は厚く、鋸歯は浅めです。ハイさんはこの古茶樹群を遺産樹として認定するよう提案しています。

二つの古茶樹群の比較
| ヌイボン山 | タムダオ山頂 | |
|---|---|---|
| 現在の村 | ドゥックルオン(旧ミンティエン) | ラバン |
| 標高 | 600–800 m | 1,300 m以上 |
| 記録本数 | 20–30本 | 大木18本、小木数百本 |
| 樹高 | 20〜30 m以上 | 約12–13 m(最初の木) |
| 推定樹齢 | 200年以上 | 150〜200年以上 |
| 品種 | DNA分析中 | 暫定:シャン種 |
これらの数字は2024〜2025年の別々の調査や報道によるものです。現地での観察結果であり、最終的な科学的結論ではありません。
保護の取り組みと、市場にこの古茶樹のお茶がない理由
タイグエン省は、ヌイボン山の古茶樹の遺伝資源を保全・活用する研究プロジェクトを承認しました。木をその場で守ることと、選んだ個体を増殖して低地で試験栽培することの二本立てです。国の遺産樹としての認定申請も検討されています。タムダオの古茶樹群についても、ダイトゥ茶協会が遺産認定の提案を提出しています。
木の数は少なく、背が高く、たどり着くのも困難です。商業規模で摘採すれば、守るべき木そのものを傷めてしまいます。この遺伝資源からお茶が生まれるかどうかは、DNAの結果、増殖、そして数年の試験栽培次第です。現時点で時期を約束できる人はいません。
茶のバイヤーにとっての意味
「古樹」は茶の取引で強力な売り文句になっています。ある話題がニュースになると、その名前はすぐにパッケージに登場しがちです。もしサプライヤーが「ヌイボン古樹茶」や「タムダオ古樹シャン茶」をまとまった量で提案してきたら、次の点を確認する価値があります。
- どの木から、標高何メートルで? ヌイボン山の古茶樹は約600 mから、タムダオの古茶樹群は1,300 m以上にあります。
- 年間何キロ採れるのか? 数十本の木から採れる量はごくわずかです。
- 摘採は許可されているのか? どちらの古茶樹群も研究と保護の対象です。
- どんな書類が付くのか? 検査報告書、トレーサビリティコード、生産者の登録住所。
同じ理由から、私たちは自分たちに何があり何がないかを、バイヤーにはっきりお伝えするようにしています。私たちがロットごとにどのように記録を残しているかは、ガイド本物のタイグエン茶の見極め方をご覧ください。
TRAVINAにあるもの、ないもの
タムチャーヴィエット協同組合は、タムダオ山脈のふもと、ダイトゥとラバンで活動しています。はっきりさせておくと:
- ヌイボン山やタムダオ山頂の古茶樹からは摘採していません。それらの木から作ったお茶も販売していません。
- 古樹のシャン茶は生産していません。それはベトナムの他の産地が得意とするところです。
- 日常のお茶は、ラバンにあるVietGAP認証の茶園(標高約300〜500メートル)で育ち、ラバンの自社工場で加工しています。詳しくはダイトゥとラバンの産地をご覧ください。
この話に近いものとして私たちにあるのは、タムダオ東斜面にある野生化した中部丘陵茶の林です。ラバンのドンクアン集落にある第二加工拠点の上手に広がっています。長年剪定されていないため、高さは2〜3メートル、5メートルに達する木もあります。数百年の古木ではありませんが、かつてダイトゥの丘を覆い、茶園が挿し木苗へ移るにつれて少なくなってきた、種から育つ中部丘陵茶です。
秋から冬にかけて、私たちはこれらの木から開く前の茶の花のつぼみを手摘みし、工場で乾燥させています。それが茶花のつぼみ茶(Nu Tra Hoa)です。野生の木が自然に花を咲かせるので、つぼみを摘んでも収穫を損なうことはありません。水色は淡い金色、香りは穏やかで口当たりはやさしく、渋みはほとんどありません。

古茶樹を訪ねるには
ヌイボン山には現在、研究者向けの道が整備されています。地元のガイドと一緒に行き、事前にドゥックルオン村役場に確認してください。タムダオ山頂の古茶樹群までは急な岩場を含む8時間の登山となるため、経験豊富な地元ガイドの同行が必須です。枝を折ったり、葉を摘んだり、幹に印をつけたりしないでください。
山に登るより茶園と工場を見たいという方には、ダイトゥとラバンの茶園と工場をめぐる茶園めぐりツアーがあります。
よくある質問
タイグエンの古茶樹はどこにありますか?
ドゥックルオン村(旧ミンティエン村)のヌイボン山と、ラバン村のタムダオ山頂付近です。どちらも旧ダイトゥ県にあります。
樹齢はどれくらいですか?
暫定的な推定では、ヌイボン山の木は200年以上、タムダオの木は幹周りに応じて150年から200年以上です。
シャン種の茶ですか?
タムダオの木は暫定的にシャン種と判断されています。ヌイボン山の木はDNA分析の結果待ちです。
これらの木のお茶は買えますか?
現時点では買えません。どちらの古茶樹群も保護されており、商品としてのお茶は作られていません。
TRAVINAは古樹茶を販売していますか?
いいえ。販売しているのは、ラバンのVietGAP茶園のお茶と、タムダオ東斜面の野生化した中部丘陵茶から摘んだ茶花のつぼみです。
輸出やプライベートブランドの相談はどこへ?
+84 888 199 628 へお電話またはメッセージ、あるいは admin.travina@gmail.com へメールでご連絡ください。茶のバルク輸出のページもご覧ください。
